ポリウレアとは
What's Polyurea?

ポリウレアとは1980年代に米国で開発され、1990年代から各種用途に用いられるようになった樹脂化合物です。イソシアネートとポリミアンを高温・高圧力下で衝突混合させて、化学変化によって形成されます。
高い伸び率による強靭でしなやかな耐引裂性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐水性(防水)、耐塩性(防食)、 耐熱性、耐薬品性、耐候性、防音性等に優れ、様々な変状要因 から基材を保護するライニング材です。
ポリウレアを使用したポリウレアライニング工法は、ダムや道路など土木分野、ビルや工場など建築分野、プラント設備や車両など様々な補修や物性強化に適用されており、環境に優しく、施工性も高いため、現在最も注目されている工法となっています。
ポリウレア ライニング工法の特長

ポリウレアライニング工法は、ダムや道路など土木分野、ビルや工場など建築分野、プラント設備や車両など設備分野において、様々な補修や物性強化に適用する工法です。環境に優しく施工性が高いため注目されており、様々な用途開発が期待されています。
スプレー2液衝突混合の化学反応によって、わずか膜厚(約2~4mm)で強靭な保護層を形成します
極めて早い超高速硬化(指触乾燥10秒前後、完全硬化48時間)で工期短縮、迅速なサービス再開が可能に
高い伸び率により強靭でしなやかさを実現
そのため軍事利用されるほど耐久性、耐爆性、耐引裂性、耐衝撃性に優れています
ポリウレタンと異なり加水分解(水の作用により分子が分解する反応)しないため、物性の変化がなく長期耐用性、耐候性に優れています
防水性、耐熱性、耐磨耗性、耐爆性、耐腐食性、難燃性、防音性を兼備
既存の防水材やライニング材ではスペック不足となる部分や、複数の性能が同時に求められる用途に最適です
スプレー塗布の1工程でシームレスの被膜面の形成が可能
施工対象の形状を選ばず、施工の応用範囲が広がります
コンクリート、アスファルト、プラスチック樹脂、金属、木材、鉄板等ほぼあらゆる基材に付着できます
下地のひび割れの発生や挙動に対して高い追従性を発揮しコンクリート剥落防止を実現します
耐薬品性、耐塩性にも優れて水槽、タンクなどの防水・防食・防錆工事に最適
ポリウレアライニング工法とその他ライニング材の性能比較
ポリウレア | ポリウレタン | エポキシ樹脂 | FRP | ポリマーセメント系 | |
---|---|---|---|---|---|
主構成 | 水性プライマー 芳香族系ポリウレア樹脂 |
エポキシ系プライマー ポリウレタン樹脂 塗料系トップコート |
エポキシライニング材 塗料系トップコート |
ビニルエステル樹脂 FRPマット |
セメント系粉体 アクリル系共重合エマルション |
耐摩耗性 | ★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
耐薬品性 | ★★★ 強アルカリにのみ脆弱 |
★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
耐熱性 | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
防食性 | ★★★★ | ★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★ |
防水性 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
付着性 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
クラック追従性 | ★★★★ | ★★★ | ★★ | ★★ | ★★ |
施工性 | ★★★★ | ★★★★ | ★★ | ★★ | ★★★ |
揮発成分 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★ | ★★★★ |
硬化時間 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★ | ★ |
塗膜特性 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
補修性 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★ |
耐候性 | ★★★★ | ★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ |
★★★★優れる ★★★標準 ★★やや劣る ★劣る
ポリウレアライニング工法の目的と用途
ポリウレアライニング工法は、屋根や床面はもとより、様々な構造物、設備機器などの補修に適用できます。
基材のの複合的な劣化要因に対して、FRPなど従来の工法では不可能だった複合的な特性を持ち合わすことにより、長期間基材を保護し続け、様々な課題を解決します。
目的・特性 | 主な用途 |
---|---|
耐水性/耐候性/防音性 | 工場屋根、屋上防水、地下ピット、コンクリート水路 等 |
耐摩耗性/耐圧縮性/耐引裂性 | 工場床面、ダム、バイオマス発電所 等 |
耐熱性 | 温水ピット、低温・冷凍倉庫 等 |
耐衝撃性/耐薬品性 | 薬品タンク、防液堤、排水槽、各種化学プラント設備 等 |